街づくりにおけるDesignの役割とは
AgeDesignがオフィスを構えているのは、金沢市のまさに中心地、広坂です。
広坂と言えば、金沢市役所があり世界的にも認知されているコンテンポラリーアーティストの憧れ、金沢21世紀美術館のほかに、日本三大名園と呼ばれる兼六園が隣接する街です。
2015年の北陸新幹線開通以降は、国内外から多くの観光局が訪れてきてくれています。新幹線開通後のストロー効果が大きく出ていない珍しい成功事例とも言われていた金沢ですが、2020年に世界規模の感染を巻き起こしたCOVID19(新型コロナウィルス)の影響は、この金沢の中心地・広坂も、勿論非常に大きな影響を受けました。
国・県・市がこの目に見えない感染症のダメージを最小限に抑えるべく、多くの施策を打ってきたのは皆さんのご記憶の通りかと思います。その施策の一つである市の補助が、広坂振興会にも適応されました。
何ができるか。広坂振興会もご多分に漏れず高齢化の進んだ商店街ではありますが、若手が集まり今後の広坂のVISIONについて話す機会を設けました。その中で共有化できたのが、広坂に隣接する金沢21世紀美術館や、近隣施設の石川県立美術館や鈴木大拙館、同じく2020年10月25日に開館する国立工芸館などアートと工芸を徒歩圏内の狭いエリアで楽しめる点を活かしたまちづくりだ。
そこでAgeDesignでは様々なデータを集め方向性を模索した。
下記は、同じく隣接する兼六園の発地別外国人観光客数のデータと、石川県 観光入り込み客数(推計)および広坂近隣観光施設利用者数(千人)だ。全て県公開の情報です。この状態で国内観光客は本当に戻るのか?後外国人観光客が戻ってくるとしたら?喧々諤々と議論は続きました。
しっかりと国内観光客へ伝わるプロモーションを
こうした調査に加え、今回スタッフは広坂の街をリサーチ。写真を撮りながら改めて広坂の街を再確認する。するといろいろな課題が見えてくることに。一本通りの広坂でありながら思いの外、場所を尋ねられるということ。そしてこの地が『広坂』であることなど、実は金沢市民ですら知る由もないという点も見えてきました。香林坊や片町は良く認知されているにも関わらずです。
そして企画は、オフラインとオンラインを組み合わせたプロモーションを展開することになった。
アーティストGOTTEさんとのコラボレーション
工芸とアートの街を標榜するのであれば、やはりアーティストとのコラボレーションは外せない。そこで、金沢にゆかりのある新進のアーティストGOTTEさんにお願いし、GOTTEさんの代表作であるハムスター助六に広坂の街を歩いてもらうイラストを手掛けてもらったものが下記の表紙です。
Hiracle Project
2021-07.01Kanazawa, Ishikawa, Japan writing / photo / Yohei Inagakiplanning AgeDesign